CO2排出権付宅配便

よくCMをしているこれLink ですが、料金上乗せされてるの? 買い取った排出権はどう処分するの? と、今日調べるまで内容が不思議でたまりませんでした。

CO2排出権の詳しいことはここLink に書いてありますが、要は各国・企業が許された量以下の温室効果ガスしか排出せずにすんだ場合、まだ排出できる分を権利として売って他者の排出にまわしてもいいという制度。努力して排出量を減らした者はお金を得られるし、努力が限界の者はお金でノルマを果たせる。すでに性能の良い機器を使用していて削減に多大な努力が必要な先進国は、効率の悪い機器を使用している発展途上国に技術援助して削減してもらいその排出権を安く買い取る(その結果全体としてエネルギーの利用効率が上がる)などなど、人間の経済活動を利用した制度となっております。

で、この宅配便ですが、
  • 利用者は事前登録した後、その登録情報を用いて排出権付宅配便を申し込む。
  • 宅配便業者は荷物1個の輸送によって排出されるCO2の平均である346g分に相当する排出権を政府に提出する。
  • 政府はその権利を使用して日本が排出した温室効果ガスが(帳簿上は)減ったとなるようにする。
  • この宅配便利用に関して、付加料金はなし。

気になったのは最後の付加料金はなしという部分。つまり排出権は宅配便業者の自腹で購入され、それを客に転嫁することなく日本国の排出量削減に提供しますよと、あらま何とエコな企業・・・で終わらないのがひねくれ者の私。

温室効果ガス排出権の価格を調べてみたのですが、制度自体が始まってまもなく、価格が乱高下している模様。1年前の価格Link ではすでに的外れな感じがしたので、Yahoo! カーボンオフセットLink を参照。だいたい1トン4000円くらいでしょうか。ということは、この宅配便1回あたりの排出権のお値段は約1.384円。

この額が値上げすることなく宅配便のコストアップとなるわけで、競争激しいこの業種、小さくは無いでしょう。しかしこれで宅配便業者が得るものは、
  • 自社にメールアドレスを登録する顧客。しかもエコロジーに関心が高い。
  • 売り上げ増。少なくともこの制度があるからこの宅配業者を選ばないという顧客は皆無でしょう。
  • エコ企業というイメージ。
つまり広告費。期間中に目標としていた量の排出権を捌けなければ、自社で使っちゃえばいいわけだし\(^o^)/ と考えれば、なかなか排出権をうまく使ったものだなと思うのですが、どうでしょうか。

— posted by mu at 10:39 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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