5試合中2試合勝つ確率

とあるスポーツ新聞系のサイトが過去データの統計から、プロ野球日本シリーズ開幕2連勝したチームが優勝した確率は79%だと言う数字をはじき出し、高い確率だと論じておられました。まぁ当然です、相手が4勝する前に2勝すればいいのだから。とはいえ8割なんて数値を見せ付けられると、先行しているチームが精神的に優位に立ってさらに勝利しやすくなるのではと思ってしまう。てなわけで、確率計算を。

2勝している側が今後各試合に勝つ確率をpとすると、そのチームが残り5試合以内で2勝し優勝する確率は、

¥sum_{k=2}^5 {}_{k-1} ¥mathrm{C}_{1} ¥cdot p(1-p)^{k-2}p

数式で書くと仰々しいですがやっていることは、

  • 2試合で優勝: 次の1試合を勝利し、その次も勝利 [ k=2 ]
  • 3試合で優勝: 次の2試合中どちらか1回勝利し、3試合目を勝利 [ k=3 ]
  • 4試合で優勝: 次の3試合中どれか1回だけ勝利し、4試合目を勝利 [ k=4 ]
  • 5試合で優勝: 次の4試合中どれか1回だけ勝利し、5試合目を勝利 [ k=5 ]

という確率を足し合わせているだけです。合ってるのだろうか? 確率苦手なので(^^;)

この式にp=0.5つまり今後も勝率は五分五分という数値を入れて出た結果は0.8125、つまり81.25%…ほとんど統計値と同じ、むしろ若干高いじゃないか。p=0.48~0.49くらいで優勝確率79%となるようなので、開幕2連勝するとその後若干負け易くなるらしい…まぁ誤差ですけどね。過去データが示しているのは、2勝先行したところでその後の「各試合の勝率」にはほとんど影響はなくコイントスと同じ状態だということですな。

こういう「実は大したことない」ことは日常少なくないし、相手が勝手にする誤解を巧みに利用する人もいる。個人的には受け取る方も気をつけないといけないかなと思う。今回のスポーツ新聞の場合は読み手を誤解させようとしているわけじゃなく、単にコイントスと変わらない数値だということには気づいていないのでしょう。

数式書きにはTeXclipLink を利用させてもらいました。TeX使うの大学の卒論以来だな…

[参考] HTML中の数式の記述(数式画像の生成) (小泉真也氏)Link

[2011/11/15 追記] 本日対戦成績が2-1となりましたので、先行しているチームが優勝する確率は68.75%になりました

[2011/11/16 追記] 対戦成績2-2。当然優勝確率50%

[2011/11/18 追記] 対戦成績3-2、75%。実データと計算に食い違いが出てきてもおかしくないかなぁ…

[2011/11/19 追記] 対戦成績3-3、確率は言わずもがな。

— posted by mu at 10:20 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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