もうちょっと冷静になって > 自分w
この手の番組の視聴者層と科学・技術者層の考え方の差って、結構大きいのだと思う。○○食べたら痩せたり健康になったりして万々歳というネタはすでに掘り尽くされ、上手い話はそうそうない状態です、現代社会は。現場の科学者はそれが分かりきっています。
でも良い面も悪い面もあるって話、難しいんです。どこまで悪い面を許容できるか自分で考えないといけないから、万が一のことを気にしないといけないから。そういう自分で判断しなくてはいけない部分が少ないというのは、分かりやすい話の一要素でしょう。根っから理系・技術系の私は、裏がない話なんて不気味でしょうがないんですが・・・
この手の情報番組は、両者の橋渡しという重要な役なわけです。分かり難いネタだらけの理系の世界を分かりやすく。もちろん専門用語を排除したり、絵などを使うなどして努力されています。が、善悪両面性があるという分かりにくさ(飛びつきにくさ)はどうやったって無くならないのです。「○○を食べると痩せますが、人によっては心臓に負担がかかります」なんて言ったら、「使えない情報」「いい情報をくれない番組」と判断してしまう方は少なくないでしょう。
では、そんな難しい情報を分かり易くするにはどうするか?情報を分かりやすく整理するという名のもと、「欠点は伝えない」が良く見られる手法です。ウソは言っていません。更にここに、番組製作コストを下げるという圧力が加わると、持っていきたい結論を支持する実験しか行わない、結論ありきのデータ収集になっていくように感じるのです。もちろん偏見ない実験をしてその中から編集をしている番組もあるでしょう。しかし、いいことばっかりつまんで編集されてしまうと、私には結論ありきの偏見取材と見分けがつかないのです。
それと捏造とは別だという方もいるでしょうが、極限のコストきり詰めをする競争社会では紙一重だと思います。予想した結論を支持しないデータしか得られなかった場合、それまで費やした取材費を捨てて「これは放送できません」と言えない精神状態に追い込まれたのではないかと想像します。
こういった事件は当事者が悪い、倫理を確立しろ、と他人のせいにして後は誰かが上手くやってくれるだろうとほったらかしでは、いずれ再発すると思うのです。最も根底にある、視聴者が分かりやすい情報に対して疑念を持ち、拒否していかないと・・・
(ああ、書けば書くほど泥沼な気がしてきた)
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