30VでLED

blog20100721-ConstantCurrentCircuit

先日の記事Link で触れた回路設計の見直しに関連するのですが、詳しい背景は省略して要求事項を要約すると、
  1. 外部から来る電圧のOn/Offに合わせて普通のLEDを点滅させる。
  2. その電圧は10~30V。外部で使用する電源電圧なので電源を変えない限りは一定。
  3. この電圧以外にLEDが使える電力源はない。
まずこの電圧を普通のLEDに直接入れると確実に焼けてしまいます(5Vでも煙出せますよ)ので、電圧を落とさないといけない。一番簡単なのは直列に抵抗を入れることですが、電源電圧の変動幅が大きいので全電圧に対応できる抵抗値が決まらない。電源がOn/Offを繰り返すのでレギュレータやDC-DC変換回路もダメ。

ここまで電圧電圧と書きましたが、LED制御に重要なのは電流量で電流を決めればLEDにかける電圧が決まるというのが正しい考え方。というわけで、LEDに20mAを流す定電流回路を考えればいいことになります。もっとも簡単なのは定電流ダイオードLink という素子を使うことですが、その場合問題になるのが発熱。

(動力・音・光などを発生しない)回路に電圧をかけて電流を流すと必ずジュール熱Link が発生します。今回の場合なら30V×20mA=0.6W。どこかで必ず発生します。LEDに直接繋ぐと焦げてしまうのはこの熱がすべてLEDで発生するため(実際にはもっと大量の電流が流れもっと発熱します)。抵抗器や定電流ダイオードを直列に繋ぐと、発熱がLEDとで分担されるのでLEDが焼けずにすむわけです。

で、一般的な定電流ダイオードが許容できる発熱量は0.3Wが多いので、完全にオーバー。写真上側のように複数を並列に繋いで発熱を分担させないといけません。こんな米粒みたいな素子がよく0.3Wも耐えられるなと思ったら、リード線を伝わって基板などに放熱させることを前提としているようですね。写真の縦に取り付けてある銅版は放熱目的だったりします。

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別の解決としてはトランジスタを使った定電流回路Link 。発熱はトランジスタ・エミッタに接続された抵抗器・LEDで分担されます。一番発熱するのはトランジスタなのですが、トランジスタは種類が豊富、安くて発熱に強い(コレクタ損失が大きい)やつが一杯あるのが魅力。

しかし…定電流ダイオード3個と比べると、トランジスタを使った回路はユニバーサル基板上では倍の面積を取るんですよね。今回基板面積にもあまり余裕がないので、素直に定電流ダイオードでしょうか(だけど値段高い)。

[参考] 個別半導体の豆知識 (なひたふ電子情報)Link

— posted by mu at 10:39 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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