CEATECというよりロボット相撲観る方がメインとなりつつあるのですが。
以前は3~4年おきに行っていたので結構新鮮な感覚があったのですが、毎年見るようになるとあまり変化を感じないですね。テレビはひたすら高解像度化(4K/8K当たり前、10Kを謳う所も)、家電は「人に這い寄る寄り添う」を謳い文句とするAIなど高知能化(いつ実用化されるのかよく分からん)、乗り物は電動化。いや、私も技術者の端くれですから、そう毎年ポンポンと新技術を繰り出したりできないのは分かっているのですが。
で、ロボット相撲。こちらは人間がラジコンで操作する部門と動作もプログラムで書いて試合中は人間が全く介入しない自立という部門があるのですが、プログラム屋さんとしては自立の方が好きだったりします。また自立の方が人間の操作では追いつけないレベルの高速バトル になるのも魅力。
しかし今年は自立の様子がちょっと違って、やたら遅いが強いというのがいる。以前からこのタイプはいたのかもしれませんが、気付かなかった。強力な磁石で床に押し付け車輪が滑らないようにする、となると動くのに強い力がいるので低速なギア比(自動車で言うならローギア)にしてゆっくりと強力に進む、という思想に基づいているようです。
遅いので高速型に容易に回り込まれますが、ぶつかられてもびくともせず 、自分のペースで押し返していきます。高速型の中にはそんな低速で動く相手を想定してなかったのか、違う方向に走っていって自滅するものも少なくないですが、低速型は遅いので勢い余ってなんてこともなく、押し付けられた力で土俵をがりがり削りながら相手を押し返していきます。
自立型の決勝戦は低速型同士がぶつかることになったわけですが、どうなったかというのがこの動画 。接触したらそこで力が均衡して進まなくなってしまいます。お互い背中合わせでスタートしてますが、これは何回もこういった膠着状態に陥ったので勝負がつくようにするため。結局膠着状態になったので、黒い方が相手の下に潜り込んだという理由で勝ちとなりました。
膠着状態になったらすぐにストップがかかるのは、放っておくとモーターなどが過熱して発煙するからです。今年は1台ド派手に発煙して運営側に防災用の布をかけられ、そのまま土俵ごと屋外に担ぎ出されたものがありました。
これ、高速型がもっと賢くなれば付け入る隙はあるのでしょうか? 無いならば、今後主流は低速型となり土俵は削るは膠着状態は頻発するはという事態になりそうです。技術を追求するならそれもよしでしょうが、競技性に重きを置くなら磁石に規制をかけるとかになるのでしょうかねぇ。
あと月面上で動作するロボット用のプログラムを書いてシミュレーターで競うイベントもやっていたみたいなのですが、やっている場所を見つけた時にはすでに終わってました。観たかったのに、残念。
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