第8回 地球シミュレータ シンポジウム

blog20101005-ES_Symposium
一般利用コーナーに展示されていた模型

2年前Link 同様、地球シミュレータLink のシンポジウムを聴いてきました。去年は忙しくていけなかったのですが、会場が秋葉原に移ったようで。同じ週に産業利用向けのシンポジウムも開かれるし会場秋葉原だし、今回は私服でも目立たないんじゃないかと思ったら、やっぱりスーツ姿が大勢 orz

地球シミュレータ、要は日本製スーパーコンピュータです。まさに地球レベルのシミュレーション計算を実現する性能を持たすべく開発され、登場当時は世界最高性能を誇ってました。最近の身近な話だと事業仕分けで有名になった「(世界)2位じゃだめなのですか?」は、これの後継機開発予算に関したものだったりします。またアニメサマーウォーズLink の後半に大型コンピュータが登場しますが、こいつは地球シミュレータを構成するSX-9Link と形が似ており、未だスーパーコンピュータの代名詞になっているようで。

このシンポジウムが8回目。登場直後から成果を発表する場を設けるなどしていた地球シミュレータですが、先の事業仕分けの影響かそれ以前からやっていたのか、一般利用に開放するコーナーが設置されていました。1ノード(地球シミュレータ全体では160ノード)1時間で3947円、ただし10万円以上の利用が目安だそうです。あんまり人が集まってなかったようですが、まぁこれは8日に行われる産業利用シンポジウム向けかな。

今回シンポジウムのテーマは「安全・安心な社会の実現に向けて」。内容はというと、6回目Link とあまり変わらないかなぁ。

気象シミュレーション
  • 十八番。前回も12時間以内のシミュレーションはまず外さないということでしたが、今回も3日以内の天気は95%当てているとのデータを提示。
  • 長期間予報になると不正確になるのは、計算の初期値として使う実観測データが不十分なことも一つの原因。空気の上下移動である対流も気象に大きな影響を与える要素であるが、正確な観測データのためには航空機飛ばしたり海上に測定点を設置したりとお金がかかる。
  • 計算量を減らそうとする(計算の格子間隔を広く取る)と局地的豪雨や竜巻の発生が結果に現れないそうで、計算量上げたほうがいいなぁということ。
  • この夏の猛暑も研究対象。
地震予測
私は以前NHKのMega Quakeというシリーズを見ていたので、そこで得た以上の情報は特になく。実はデータを取ると、大地震のメインであるプレート境界地震は同じところで(何百年というレベルで)繰り返し発生する。繰り返し発生するからこそ、データを取って次の発生を予測する研究が可能になるということ。ただこの繰り返し発生する地震の仕組みの概念が理解しにくいらしく、質疑応答に対しても説明しづらそうでした。
新幹線の安全性
以下のことでシミュレーションをしている人のこと。
  • 沿線に地震センサを設置、地震発生をいち早く検知して新幹線を自動停止させるシステム。地震波の伝わり方をシミュレートし、センサ配置の最適化
  • 地震で破壊しない構造物(高架など)
  • 地震で脱線しない車両・レール
  • 車両の強度
  • 乗客の避難シミュレーション。最適な出口の配置など
  • 騒音を低減する空力

— posted by mu at 11:09 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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